2011年4月26日 星期二

希望の湯

「がんばっぺし」元気もわかす希望の湯 岩手

2011年4月26日17時7分


写真:がれきの中に作られた「復興の湯」=岩手県陸前高田市、田村写す拡大がれきの中に作られた「復興の湯」=岩手県陸前高田市、田村写す

写真:「復興の湯」(左)の前では、津波に耐えて残った桜が満開になった=24日、岩手県陸前高田市、川津陽一撮影拡大「復興の湯」(左)の前では、津波に耐えて残った桜が満開になった=24日、岩手県陸前高田市、川津陽一撮影

写真:途切れなく利用者が訪れる「鶴乃湯」。周囲には津波のがれきが残る=岩手県釜石市、田村写す拡大途切れなく利用者が訪れる「鶴乃湯」。周囲には津波のがれきが残る=岩手県釜石市、田村写す

写真:「ほんと生き返った」。「鶴乃湯」の脱衣場ではみなさっぱりとした表情だ=岩手県釜石市、田村写す拡大「ほんと生き返った」。「鶴乃湯」の脱衣場ではみなさっぱりとした表情だ=岩手県釜石市、田村写す

 がれきが山積みになったままの町でも、被災者らの頑張りで少しずつ風呂に入れるようになってきた。新たな共同浴場が作られたり、銭湯が無料で営業を再開したりしている。疲れ切った体と心を温めて、明日への元気を養う。

 津波で市街地が壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市に共同浴場「復興の湯」がある。自宅を失った避難所暮らしの被災者が協力し、公民館の倉庫を借りて作った。

 男湯と女湯は板で仕切られ、入浴時間は正午から午後10時まで。湧き水を2台のボイラーで沸かし、地元の建築会社が作った木製の湯船には一度に10人近くが入浴できる。

 「ああ、疲れが吹っ飛ぶ」。近くの避難所にいる山崎亮さん(26)は2日に一度、足を運ぶ。震災前は隣の大船渡市で働いていたが、通勤手段を失い、今は避難所の運営を手伝う。湯で顔をこすりながら「これが一番の楽しみだ」と息をついた。

 今月3日の完成以来、避難所などからやって来る被災者は1日約400人。手伝いの男性は「みんなね、風呂に入る前と出た後とで表情が違うよ。すっきりした顔をしている」と笑う。

 浴場作りの中心になった高萩善夫さん(65)は「風呂に入ると、心まで裸になって何でもしゃべれるんだ。涙流す人もいて『がんばっぺし』って励まし合ってる」と語る。「この浴場はみんなでやり遂げた最初の仕事。だから、ここが復興第一号だと思ってる」

 同県釜石市の銭湯「鶴乃湯」は、浸水した1階部分から大量の泥やがれきを撤去して4日から営業を再開した。終戦直後から続く老舗。市の支援もあり、今月末まで無料で営業する。

 近くに住む男性(73)は、津波で水道や電気が止まって入浴ができず、営業再開初日の一番風呂につかった。「気持ちよくて、5年以上も寿命が延びたような気持ちがした」

 40年以上前、まだ自宅に風呂がなかった頃に、幼稚園児の長男を連れて通っていた。「懐かしさがこみ上げて、二重に疲れが癒やされた。ありがたいなぁ」。がれきの中を歩き、毎日通っている。

 経営者の山崎和雄さん(62)は「年々お客が減って、銭湯はこのまま消えゆく運命と思っていた。こんな形で皆さんのお役に立ててうれしい」。毎日、400人以上が訪れている。(田村剛)

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